うつ病の妄想と身体症状および自律神経障害
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うつ病の精神症状と抑止・不安な訴えについて の続きで、今回はうつ病の妄想と身体症状を中心とした障害についてです。

不眠や疲れが取れないといった訴えが多くなってきた場合は、要注意ですので早めの対策をしましょう。

 

④うつ病性妄想

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罪責妄想

昔の出来事とは関係なく患者は自分を過小評価し、罪責的となって神仏に見放され、永遠の罪を受けると思う。

患者はなにも具体的なことをあげることはできないのだが、自分が悪人、罪人であるという考えを固執し、自分の罪のためにこの世の苦悩は生ずるのだと思い込むほどになる。

また、例えば同じ病棟の他の患者が死んだ場合に、自分に責任があると思うようなこともある。かかる確信の帰結として、患者は永劫の罪の下されることを予期することになる。

 

心気妄想

身体感情と関係している妄想であり、身体的健康が破壊、身体は使い果たされて、それを救うことはできないと思う。

臨床検査などでどのように論証しても、患者の考えの誤りを納得させることはできない。彼は身体的に不治の病にかかっており、死ぬべき運命にあると思う。

軽症例では個々の身体機能の障害に限定されて、神経症者の心気症状と似ており、不安とか障害の過大評価がみられる。

 

貧困妄想

患者はもはや生計費を得ることはできず、お金がないとか、短期間に使い果たしたと思い、自分自身や近親者は路頭に迷い、餓死するに違いないと考える。

軽症例では、仕事ができなくなったとか、自分の職業を続けてやることができないと恐れるようになる。

 

 

⑤うつ病の身体症状および自律神経障害

  1. 一般に身体が弱い、たえず疲れやすく、眠っても回復しない
  2. 不眠、特に熟眠の障害、
  3. 食欲・性欲の欠乏および
  4. 便秘、
  5. 胸部、腹部の重苦しさ、鉛のような頭、輸のはまったような頭、締められた頸、胸さわぎ、
  6. 女性では無月経、男性では性的能カの減弱ないし消失

 

睡眠障害

  1. うつ病相の最初の症状として現れることが多い。
  2. 病相が快方に向かった時にも最後まで残ることの多い症状である
  3. 多くは入眠困難、浅眠、そして早期覚醒をきたし深い睡眠時問の持続が短縮する
  4. うつ病相間の問歓期においても、患者の半数以上が不規則な睡眠を示している。この所見はうつ病では自律神経系の24時問リズムが障害されていることを示唆している。

日内変動

重要な症状で、ほぼ半数の患者に早朝から午前にかけて抑うつ症状が最も著しく、午後から夜にかけてはいくらか軽減する変動が認められる。

朝方抑うつ:(朝方気分が悪く布団から離れられない)状態

 

⑥病識

症状が重くなれば失われる.初期には病感はあるが.大部分は。この苦しみは自分だけだと考え,己れを責める自責と結びついている。また、その原因は自分の至らなさと感じ、罪責感にさいなまれる。