心臓の拍出量と内圧変化はスターリングの心臓の法則に従う
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(1)等容性心室収縮期

心室収縮が始まり房室弁は閉鎖するが、心室容量は変わらずに(等容性)圧縮を受ける。

心房筋の興奮が心室に達し(心電図QRS波)、心室が収縮をはじめると心室内圧が上昇し、同時に房室弁(僧帽弁/三尖弁)が閉鎖し、心音図第Ⅰ音が記録される。

房室弁の閉鎖から半月弁(大動脈弁/肺動脈弁)が開くまでは心室容量は一定のまま内圧は上昇する。

 

(2)心室駆出期

心室内圧が高くなると動脈弁が開き、心室の血液は動脈へ駆出される。心室血圧と動脈血圧はほぼ等しく、この圧力が最大になる点を収縮期圧または最高血圧という。

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(3)等容性心室弛緩期

心室の弛緩により動脈弁が閉鎖し、等容性の弛緩が始まる。この時期に心室圧は低下し、心室圧が大動脈圧より低くなった時、動脈弁が閉鎖し心音図第Ⅱ音が記録される。

 

(4) 心室充満期(流入期)

房室弁が開き、血液は心房から心室の圧差に従って流入する。

 

(5)心房収縮期

心房収縮が始まり、心室は満たされる。 〔(1)に戻り、繰り返す〕
これは洞房結節にある歩調とりの細胞の興奮が起こり収縮する。(心電図P波にあたる)

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スターリングの心臓の法則の第1法則と第2法則

1回の拍動では駆出される血液量を1回拍出量といい、左右等しく60~70mlである。

1回心拍出量は動脈側の血圧が高くても低くてもそれには影響されず、静脈側から流入した血液が多いほど多くなる。これはスターリングの心臓の法則にしたがっているので、このようになります。

第1法則:心臓の拍出量は,拡張期の容量に正比例する

第2法則:心臓収縮に関連するエネルギーは,心拡張期における心筋繊維の長さに比例する