
洞房ブロックの心電図の特徴
洞結節自体は規則正しく興奮しているが、その刺激が心房へ伝わらなくなった状態。
洞停止:一過性または持続的に全く活動しなくなった状態をいう→房室接合部性調律も消失している状態。
特徴:
①P波、QRS波の消失
②房室接合部性調律 “第2のペースメーカー”といわれている。
洞結節からの刺激が心房に伝導されない場合、房室接合部またはその付近の自動能により房室接合部の刺激が生じる心臓のリズムをいう(P波が欠如)。
房室ブロック 第1度房室ブロック
房室伝導系の不完全障害により、房室伝導時間が遅延した状態のもの。
特徴:PQ(R)間隔が0.21秒以上(正常は0.12~0.20秒以下)
第2度房室ブロック MobitzⅠ型(Wenckebach型房室ブロック)
房室伝導系の不完全伝導障害のため、心房から心室への興奮伝導時間PR(房室伝導時間)が次第に延長し、同時にRR間隔が漸次短縮QRSが脱落するもの。
第2度房室ブロック MobitzⅡ型
房室伝導系の不完全伝導障害のため一連の洞調律の中で1心周期だけ房室ブロックが起こって、、心房から心室への興奮伝導が時々突然にとだえ、QRSが脱落する状態。
2:1房室ブロック…2つのP波に1つのQRS波が脱落するもの
3:1房室ブロック…3つのP波に1つのQRS波が脱落するもの
4:1房室ブロック…4つのP波に1つのQRS波が脱落するもの
第3度房室ブロック
心房と心室の伝導が完全に途絶した状態。
房室伝導系における完全な伝導障害のため、房室伝導が完全に中断され、心房興奮が全く心室へ伝導されないもので、“完全房室ブロック”という。
P波→QRS群とは全く無関係に出現
PR間隔→全く不安定
脚ブロックの心電図の特徴
分類上不整脈の興奮伝導障害の一種で、一側の脚に障害があるとヒス束まで伝わった興奮は、健常な側の脚を伝わって伝達されることになり、障害側の興奮は健常時よりも時間的に遅れることになる。
右脚ブロックの心電図の特徴
右脚の伝導障害が障害された状態で、左脚の収縮が心室中隔を通って右室を収縮する。
特徴:右脚の伝導障害により、房室接合部に達した興奮は直ぐに右室に伝導されず、洞調律からの伝導が保たれている左室がまず興奮し、その刺激が左室から右室にまわってきて、右室が遅れて興奮するので、QRSが広くなる。
●右脚ブロックの右側胸部誘導のQRS波形
左脚ブロックの特徴
左脚の主幹部、前枝および後枝において刺激伝導が障害された状態で、房室接合部に達した興奮は直ぐに左室に伝導されず、洞調律からの伝導が保たれている右室がまず興奮し、その刺激が右室から左室にまわってきて左室が遅れて興奮する。
特徴:
左脚の伝導障害により、左脚が2~3束に分岐しているため、広範囲の障害によりはじめて障害が生じるQRS群は幅広く0.12秒以上となる。
- QRS群は幅広く0.12秒以上
- R波に連結を認める
- 陰性T
- V5.6ではQ波が欠如
WPW症候群(Wolf Parkinson White syndrome)の特徴
副伝導路(Kent束、James束、Maihan束)によりに心房興奮が直接的に心室に伝導され、次に洞調律による心室の収縮が生じる病態。
●特徴
- QRS波の前に心室早期収縮の⊿波(デルタ波)現れる。
- PQ時間の短縮(0.12秒以下)
- QRS幅は広くなる
- PS時間は正常
- 寝室頻拍の多発