糖尿病の一般的な症状は、以下のようなものです。
一次的な症状:全身倦怠感、口渇、多飲、多尿とくに夜間尿、多食、体重減少、皮膚乾燥など
二次的な症状:知覚異常、神経痛、視力障害、皮膚掻痒感、難治性皮膚炎、易感染性、瘢痕、性欲減退、月経異常、便通異常、高血圧、心不全など
重篤な場合:意識障害、昏睡
*その他:糖尿病では一般的に動脈硬化性血管合併症の進展が比較的早い。
しかし、恐ろしいのは合併症であり、その症状を以下にまとめました。
急性合併症(未治療の糖尿病やその経過中に発症)
インスリン作用不足などによる高血糖状態を背景に発症します。
①糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)
- 糖尿病の代謝状態が最も悪化した状態であり、糖尿病性昏睡の代表
- Ⅰ型に多く、350mg/dl以上の高血糖、ケトアシドーシス、電解質喪失を伴う脱水が特徴である
- 食事療法の不履行、重症感染症、下痢、嘔吐、妊娠などが誘引
- 口渇、多飲、多尿、悪心を訴える。
- 昏睡に至れば、頻脈、血圧低下、呼吸促迫を呈す
②高浸透圧性高血糖性非ケトン性昏睡
- 糖尿病性昏睡の10~20%を占める
- Ⅱ型患者、高齢者に多い
- 意識障害は血漿浸透圧と平行
- 高血糖、高ナトリウム血症、高度の脱水、ケトアシドーシスの欠如を特徴とする
③乳酸アシドーシス
- ピルビン酸の利用低下により、尿酸が蓄積したアシドーシス
- 循環障害を合併した場合や経口血糖降下剤使用時に問題となる
- アシドーシスの出現は急速
- 死亡率は50%と高い
④低血糖
- 糖尿病治療中に生じ、頻度が高い合併症
- 一般に血糖値が50mg/dl未満の状態が「低血糖」定義されている
- 症状は、空腹感、いらいら、動機、冷や汗、手の震え、眠気、意識低下の後、昏睡にいたる
- インスリン治療、経口血糖硬化剤、不適当な食事、急激な運動、長時間の運動で生じやすい
- 運動療法施行時にも低血糖に注意が必要
- 低血糖が認められたときは、できるだけ早く甘味飲料(150~200cc)や砂糖(グラニュー糖や角砂糖 20g)を摂り、15分程度安静にする
次は、慢性症状について。