糖尿病の治療としての運動療法(リハビリ)


糖尿病のリハビリとして、歩行などの運動が積極的に行われます。

今回は、その運動についての概要を述べていきます。

 

糖尿病の運動の目的

身体活動により、耐糖能やインスリン作用機構を改善し、糖尿病をコントロールすること。

 

運動療法の基本

  • 食事療法の励行
  • 薬物療法との調整
  • 病態に合わせた運動処方
  • 継続していくこと
  • 反復教育

 

運動療法の意義運動時の内分泌反応

運動による内分泌反応としてインスリンが最も重要な役割を果たしている。

インスリン拮抗ホルモン(カテコラミン、グルカゴン、成長ホルモン、コルチゾールなど)の分泌は運動中増加し、糖尿病のコントロールが十分でなければ著しい上昇を示す。

運動中、インスリン分泌は交感神経副腎皮質系により抑制されているが、運動筋へのブドウ糖の取り込みは増加している。

運動筋では、インスリン作用を直接介さないブドウ糖の取り込み促進が認められる。

運動によって、インスリンとは独立したメカニズムで、筋へのブドウ糖の取り込みが増加することは、インスリン作用が低下している糖尿病患者に、運動療法が有益な効果をもたらす可能性を示している

 

インスリンとインスリン拮抗ホルモン

血糖調節をつかさどるホルモンとしてインスリンとインスリン拮抗ホルモンがある。

インスリンは、血糖効果作用を持つ唯一のホルモンであり、進退のさまざまな組織に対して生理作用を発揮する。主要な標的組織は、肝臓、骨格筋、脂肪組織である。これらに対して同化(合成)作用を促進し異化作用(分解)を抑制する。

 

骨格筋に対して、グルコースの細胞内への輸送速度を増し、取り込みを促進する。
また、グリコーゲンや蛋白合成と脂肪酸の参加を促進しトリグリセリド(中性脂肪)の分解を抑制する。

脂肪組織に対して、グリコーゲンの合成と脂肪酸の参加を促進し、トリグリセリドの分解を抑制する。

肝臓に対して、グリコーゲンの分解や糖新生を抑制、グリコーゲンの合成を促進する。

 

インスリン拮抗ホルモンは、低血糖に対して参加するいくつかのホルモンを一括してこう呼ぶ。

グルカゴン(インスリン拮抗ホルモン)の重要な作用は、肝グリコーゲン分解による糖放出作用で
ある。また、脂肪酸の酸化促進、脂肪分解、ケトン耐酸性である。

グルカゴンは、運動時、あるいは飢餓(絶食) といった、危機的な糖不足時に必要とされるエネルギー供給ホルモンである。

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